めも

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③日本における心理学の誕生

日本における心理学の誕生に大きくかかわっているのは、西週(にしあまね)と元良勇次郎(もとらゆうじろう)

 

「心理学」という言葉を広げたのが、幕末から明治期にかけて活躍した学者である西週(にしあまね)。

アメリカ人のヘヴン(Haven,J.)が書いた精神哲学の本『mental philosohpy』を西が翻訳し、直訳は『心理上の哲学』だったのだが、省略して『心理学』と題して出版(1870)したことで、日本国内に心理学と言う言葉が広がった。

1877年。日本で最初に創立された大学である東京大学にも、学科の中に心理学が含まれていたが、ヴント以前の哲学的な心理学だった。

 

日本で最初に本格的な心理学者となったのが、元良勇次郎(もとらゆうじろう)。

アメリカに留学してボストン大学で勉強していたが、やがてホールのいたジョンズ・ホプキンズ大学に移り、博士号を取得。1888年に帰国し、帝国大学(現在の東京大学)に招かれて教員となり、最初に精神物理学を、後に心理学の授業を担当。日本で最初の世代にあたる心理学者達を育てた。元良はヴントの著作の翻訳なども行った。

 

日本におけるヴント以降の科学的な心理学は、元良によってアメリカを経由して日本に入ってきた。